真性包茎とは?
真性包茎は勃起していない普通の状態でも包皮をむいて亀頭を露出できない症状をいいます。
画像は真性包茎の場合に包皮をむこうとしているところです。真性包茎は包皮口が狭いため亀頭は露出しません。無理してむこうとすると 包皮口周辺の粘膜がはちきれそうになります。
私も真性包茎で、包皮口はピンホール程度でした。そのため排尿時や射精時は包皮内部に溜まってから包皮口から排出されるような感じでした。
ちなみに幼児までのオチンチンは皆さん真性包茎です。陰茎の成長にともない包皮口が開いて亀頭が露出してくるわけです。
真性包茎のデメリット
真性包茎は国から病気と認められています。そのため健康保険を利用して病院で治療を受けることができます。それは下記のようなデメリットがあるためです。
@真性包茎の場合、包皮内部が極めて不衛生になるため
画像は真性包茎を背面切開して包皮を開いてみた時の状態です。体質にもよりますが薄黄色いネバネバした恥垢が亀頭を覆っている場合があります。 酷い状態では恥垢が石化して小石のようになり亀頭にこびりついている場合もあります。何年もこの状態が続くと亀頭が凸凹になってしまいます。
A真性包茎の場合、性交痛が出る場合があるため
幼児の時までは皆さん真性包茎です。そして亀頭と包皮は癒着しています。陰茎が成長するにつれ癒着は自然と剥がれていき、亀頭は包皮口を広げ露出するようになっていきます。 この過程に齟齬が生じると包茎になってしまうわけです。特に真性包茎の場合は亀頭と包皮が癒着したままの方もいて性交時に癒着部にテンションがかかるため 痛みが生じる場合があります。また勃起時に包皮口が開かないため亀頭が押さえつけられてしまい窮屈な思いをしてしまう場合があります。
B真性包茎が原因で他の病気に感染する場合があるため
真性包茎の場合は包皮の内部は極めて不潔になります。そのためそれが原因で亀頭包皮炎になったり尿道炎になってしまう場合があります。最近では 女性が子宮頸がんになるのは包茎の男性との性交渉が原因の一部であるとの研究結果すら出てきています。
包茎手術(真性包茎)の場合の健康保険適応
真性包茎は国に病気と認められているため健康保険を利用して治療が受けられます。
ここで注意が必要なのが、真性包茎ならば全ての病院・クリニックで健康保険を利用した治療が受けられる訳ではないことです。包茎手術専門院のような 自由診療の病院は、手技・機材・医材などのグレードアップをはかり健康保険が想定していないものを使用して医療サービスを提供することを目的に 保険診療の取り扱いをしていません。なので包茎手術専門院に保険証をもっていっても使えません。
真性包茎を健康保険で治療するためには保険診療の医療機関に行かなければなりません。診療科目に泌尿器科がある総合病院か手術設備のある泌尿器科のクリニック です。
では、健康保険を使用して真性包茎を手術した場合の治療費はいくらぐらいなのでしょうか。
日本の健康保険制度は病気の治療に保険点数をつけています。1点が10円であらわされ、それがこの病気を治療した時の医療機関の収入になるわけです。 包茎手術の保険点数はというと…
包茎手術
・背面切開術 740点
・環状切開術 2040点
背面切開術は主に幼児を対象とした治療で、狭い包皮口を切開して口を広げてあげるだけの治療です。大人の真性包茎の手術は環状切開術になりますから 保険点数は2040点、これに初診料や再診料、薬代などの点数が加算され治療費の総額がでてきます。
病院によっては術後の経過観察が必要ということで1日程度の入院を要請されるケースもあるようです。その場合には1日で1000点程度が加算されます。
なので、だいたいですが包茎手術をした場合には4000点〜5000点程度、4〜5万円が病院の収入と認められるわけです。
そしてこのうちの3割を自己負担分として患者さんが支払うわけです。2万円あればお釣りがくるぐらいです。
また良くある質問が健康保険を使用すると勤務先に病名や治療内容がばれないかということです。
治療内容と保険点数が記載されているレセプトは社会保険事務所や会社が加盟している健康保険組合にまわされす。どちらも勤務先とは別組織になっていますから 勤務先に包茎手術を受けたことがばれる心配はありません。健康保険組合の事務員さんも膨大な量のレセプトを処理していますから、いちいち治療内容などを気にしては いられません。また最近は個人情報保護法もあり情報の取り扱いも厳格になっています。
真性包茎の治療費と医療費控除
毎年2月から3月にかけて確定申告の時期があります。サラリーマンの場合は年末調整があり、あまり縁がないという人もいるかと思いますが医療費が多額にかかった 人は確定申告の時期に医療費控除を申告すれば税金が戻ってきますので面倒くさがらずに申告しましょう。
さて、では真性包茎の治療費については医療費控除の中に含めることができるか…というと、結論はできます。
ただし、保険診療の病院で治療した場合の自己負担分だけです。
たとえ真性包茎であっても自由診療の病院で包茎手術を受けた分は含めることはできません。考えてみれば当然のことで、自由診療の病院は美容外科と一緒です。 美容外科で受けた治療費が多額にかかったからといって税金が安くなるなんておかしな話ですからね。
真性包茎の場合の包茎手術
真性包茎の場合の包茎手術を簡単に説明します。
まず最初に包皮口周辺に麻酔をします。そして画像の様に包皮口から包皮を切っていきます。これを背面切開といって、幼児の場合の包茎手術はこれです。 包皮口を広げてあげることで亀頭が露出しやすくするのです。
さすがに大人の場合には、包皮口が裂けた状態のままというわけにはいかないので環状切開に移ります。その前に真性包茎の場合は包皮内部が極めて不潔な 状態になっていますから、亀頭周辺部を念入りに消毒する必要があります。
画像は背面切開した後に包皮をむいて亀頭を露出したところです。体質にもよりますが恥垢が亀頭にこびりついている方も多いです。 陰茎にある菱形の切れ込みは背面切開によって切られた包皮口の部分です。
包皮をむいたら切り取る皮の部分にラインを引いて、この部分に麻酔を追加します。そして麻酔が効いてからメスもしくは鋭利な刃がついたハサミでラインの間の 皮を切り取ります。この時には出血がおきますから出血する箇所に電気メスをあてて止血します。血管を焼いて塞いでしまうわけです。
皮を切り取って酷く出血する箇所はないか確認したら、あとは縫合して傷をつなぎ合わせて終わりです。縫合するのはだいたい20〜30か所ぐらいです。 かなり簡単に説明しましたが真性包茎の手術の流れはこんな感じです。
保険診療病院の包茎手術と専門院の包茎手術
真性包茎の場合は健康保険で手術が受けられます。なので真性包茎の皆さんは保険で手術を受けているかと言えば…多くの方が 包茎手術専門院で治療を受けているのです。その理由は、
皆さんは一般の泌尿器科の病院に行かれたことがありますか? 科の性格上どうしても高齢者が多く若い男性はどうしても目立ってしまいます。 性病の治療と間違われてしまわないか心配になってしまいます。また一般の泌尿器科の病院では受付・看護師は間違いなく女性です。 「今日はどういった症状で来院しましたか?」なんて受付で聞かれたら返答に困ってしまいます。 その点では包茎手術専門院なら来院する目的は皆さん包茎手術だし、スタッフも男性ですから恥ずかしい思いをすることがありません。
健康保険を使用すると勤務先に包茎手術を受けたことがバレるから使用したくないという方は結構います。 このようなことはないのですが、昔から言われていることです。なので性病の治療などでは今でも健康保険を使用しない方も多いようです。 規模の小さい健康保険組合に勤務先のOBがいたりとかする場合も無くはないですが、 現在は個人情報保護法もあり情報管理はどこも厳しくなっていますし、多くのレセプトを処理する必要がありますから治療内容を気にしている時間はありません。 またそのレセプトが知り合いにあたる可能性なんてほとんど無いと思います。
さて、これが一番大きな理由ですね。それではまず、包茎専門院で手術を受けた場合の仕上がりから見てみましょう。
包茎専門院の仕上がりの特徴は「亀頭直下法」に代表されます。亀頭直下法は切除ラインを亀頭のカリの近くまでもってくる方法です。 こうすることで傷跡を目立たなくし、勃起した時の陰茎の色の違い(ピンク色をした亀頭周辺部と陰茎の皮膚の色)が不自然に見えることを緩和してくれます。 機能面よりも自由診療の病院らしく見栄えを重視した包茎手術といえるでしょう。
一般の泌尿器科でおこなわれる教科書通りの環状切開術は画像のように亀頭周辺の粘膜部(内板)を多く残します。粘膜は皮膚よりも触覚(性感)が優れており できるだけ残した方が機能的に良いとされていたからです。
しかしこの方法では、勃起した際に陰茎の中央部に切除ラインがくるため陰茎の色の違い(ピンク色をした亀頭周辺部と陰茎の皮膚の色)が不自然に見えます。 これを「ツートンカラー」といいます。このようなオチンチンになるのが嫌で包茎手術専門院の治療を希望する患者さんは多いです。
真性包茎の場合の術後の注意点
真性包茎の患者さんが包茎手術を受ける場合に注意が必要なのが「亀頭が擦れる痛み」です。
真性包茎の場合は亀頭が包皮によって保護されているため、敏感を通り越して「過敏」な状態になっています。自然にむけた人は長い時間をかけて徐々に外界からの 刺激に慣れていくため痛い思いをすることはないのですが、真性包茎で手術を受けた方はいきなり外界からの刺激に触れます。
たいていの真性包茎の患者さんは下着に亀頭が擦れるたびに痛いはずです。しかし痛いからと言って刺激を与えなければ包皮で保護されているのと同じ なので耐えるしかありません。
私も真性包茎だったので、手術後10日〜2週間程度は歩くのも嫌になるくらい亀頭が痛んだものです。詳細は私の包茎手術日記「私の包茎手術顛末記」に 詳細に書いてありますので参考にしてください。
幸いにも当時の私はデスクワークの時間が長い職場だったので、ひたすら耐え忍びましたが体を使う仕事の方は苦労すると思います。なので あまりにも酷い痛みの場合には仕事を休める時期・連休や長期休暇の前など手術を受ける時期には十分に注意する必要があると思います。
余談ですが、包茎手術専門院に「私は真性包茎です。手術後に痛みで苦労すると聞きましたが、そんなに痛いのですか?」と手術前に聞いても、 たいていの専門院は「痛みますけど、すぐに慣れますよ〜」と軽く返答します。手術後に「亀頭がパンツに擦れるたびに痛いです。何とかなりませんか?」と 相談すると「慣れるまでの辛抱です。頑張ってください!」と軽く返答されます。
安心してしまうと後で苦労するのは患者さんです。