仮性包茎とは?
仮性包茎は普通の状態でも勃起した状態でも、包皮をむいて亀頭を楽に露出することができるオチンチンをいいます。皮の余り具合によって 症状の範囲が広く、日本人の7割近くが仮性包茎といわれています。
1、重度の仮性包茎
左の画像は通常時の状態です。亀頭の全てが包皮におおわれているだけでなく、その包皮の先端には余りすらあります。見た目は真性包茎とかわりません。勃起しても自然には亀頭は露出 しません。右の画像の様に手で包皮を根元に寄せれば亀頭は出てきますが、根元は余分な包皮でたるんでいます。
2、中度の仮性包茎
通常時には亀頭の先端は露出しています。それなりに包皮が余っているので普段むいておこうとしても包皮が亀頭にかぶってしまいます。 しかし勃起すれば亀頭は自然に露出していきます。
3、軽度の仮性包茎
通常時に亀頭のカリのところに多少包皮がだぶついていますが亀頭を露出しておくことができます。手で引っ張り上げれば亀頭に包皮をかぶせることができます。 このレベルの人は自分を包茎と思っていません。日本人の7割が包茎なのは、このレベルの方を含めるからです。
埋没型の仮性包茎
「仮性包茎とは?」で包皮の余の差による包茎の種類を説明しましたが、ここでは包皮が原因ではない包茎について説明しましょう。それは「埋没包茎」です。
1、埋没型の包茎とは
最近よく目にするようになったのが「埋没包茎」です。これは肥満が原因で下腹部に脂肪がたまり、ペニスが埋まって包茎になってしまう 症状をいいます。画像で見るとわかるように、かなり下腹部が太っています。陰茎の皮は下腹部に続いているため、下腹部が肥満によって前にせり出すと 陰茎の皮も前に押し出される関係にあります。陰茎の本体が脂肪に埋もれてしまうわけです。酷い状態なら体外に出ているのは包皮だけという状態の方もいるようです。 これでは「包茎」と「短小」の二重苦ですね。これを解消するには肥満を解消するか、下腹部の脂肪を外科的な治療で無くすしかないようです。
2、埋没型の包茎と包茎手術
埋没包茎の患者さんも包茎を治しに来院するのですが、包皮を切除するだけでは中々包茎は治りません。陰茎の本体が体内に埋もれてしまうので
包皮が亀頭側に寄ってしまう圧力が強いためです。
また、このような肥満気味の方が包茎手術をおこなうと術後傷跡が体内に埋もれてしまい傷の治りが遅いばかりか感染をおこしてしまう確率も高いようです。
包茎を治すなら、まずは肥満解消が先のようですね。
包茎手術(仮性包茎)の場合の健康保険適応
仮性包茎の場合は、保険診療の病院・クリニックに行っても包茎手術専門院に行っても健康保険で治療は受けられません。
それは国が仮性包茎は病気と認めていないためです。仮性包茎を治すのは見栄えを良くするための美容の範疇としているためです。
なので大半の保険診療の泌尿器科の病院・クリニックでは、仮性包茎の患者さんが包茎治療に来院すると「治療の必要はなし」として手術を断ります。
そもそも包茎手術の保険点数はかなり低く抑えられているため実質赤字の手術であり、私立の病院では経営的にもやりたがりません。
仮性包茎の治療費用と医療費控除
仮性包茎の治療費用を保険診療の病院・クリニックと包茎手術専門院で比較してみましょう。
・保険診療の医療機関 10万円前後(地方で8万円程度、大都市で10〜13万円程度)
・包茎手術専門院 包茎手術の基本料金 10万円前後
保険診療の医療機関は自費料金です。また包茎手術専門院は基本料金のみで美容的治療は加算していません。つまり専門院でも保険診療の医療機関でも 単純な環状切開術なら同じぐらいの治療費なのです。当然専門院で治療を希望するなら綺麗に仕上げたいのでしょうから美容的な治療を加算する必要はあります・ そうすると20〜30万円程度は必要になるかもしれません。
さて支払った治療費ですが、確定申告の時に医療費控除の対象にはなるのでしょうか。結論からいえばなりません。
保険診療の医療機関で受けようが、包茎手術専門院で受けようが、仮性包茎の手術に対する国の考えは「美容」です。美容の治療を受けたら税金が安くなるのはおかしな話ですからね。
仮性包茎は包茎手術で治すべきか?
ここでは仮性包茎の種類に応じて検討していきます。
1、軽度の仮性包茎
包茎手術を受けて治す必要はまったく無いと思います。聞いた話ではこのレベルの仮性包茎の方でも包茎手術専門院に来院する方がいるようで、 数ミリの包皮を切除して終わりにしたという笑えない話も聞いたことがあります。わざわざ陰茎に傷をつけにきたようなものです。
2、中度の仮性包茎
このレベルから患者さんは増えてきます。特に中度の仮性包茎の場合、通常時にかぶっていても勃起すると自然に包皮がむけてしまうため 包皮が陰毛を巻き込んでしまう現象に悩まされる方がいるためです。包皮が陰毛を巻き込むとかなり不快です。なので陰毛をとろうとして ズボンの上から陰毛を引っ張ったりして元の状態に戻そうとすることが結構あるはずです。実はこれはかなり危険です。 陰毛で包皮を傷つけてしまう「毛切れ」をおこす場合があるからです。
陰毛自体を短めにするなど工夫をしてみて、それでも巻き込みが起き不快さが我慢できないようなら手術を検討しても良いと思います。 巻き込みが起きないレベルなら、入浴時に綺麗にするようにしていたら包茎手術の必要性は薄いと思います。
3、重度の仮性包茎
包茎手術専門院に来院する仮性包茎の患者さんの9割近くはこのレベルの仮性包茎の患者さんです。見た目が「真性包茎」の患者さんと変わらないほど 包皮が余っているため「恥ずかしい」というのが一番の理由ではないでしょうか。
包茎手術専門院に行って包茎を治そうと一大決心するくらい悩んでいるのなら治療を受けた方が、その後の人生は楽です。気にしないなら治す必要はありません。 入浴時に綺麗にするよう心がけてください。
まぁ…このサイトで包茎手術を調べている時点で仮性包茎でいることが気になっている証拠ですけど…。
仮性包茎と切らない包茎治療
平成4年ぐらいだと思いましたが「切らない包茎治療」というのが包茎手術専門院の広告に登場しました。現在ではかなり下火にはなりましたが、いまだ 仮性包茎の患者さんには希望される方がいるようです。
「切らない包茎治療」には大きく分けて2通りの方法があります。
1、余っている包皮を陰茎の根元に生体用の接着剤や縫合糸を使用して寄せてしまう方法。 2、亀頭のカリをヒアルロン酸等の薬剤を注入して高くし、包皮が亀頭にかぶらないようにする方法。
1の方法は「切らない包茎治療」の初期のころに包茎手術専門院の広告に掲載されたものです。しかし生体用の接着剤を使用したら接着した個所の皮は伸びずに 不自然なダブつきが生じますし、縫合糸で止めたら勃起した際に引っ張られたり性交渉の際には痛くて大変な思いをするはずです。このことについて包茎手術専門院に 勤務経験のある医師に聞いたところ「自分は切らない治療なんてしたことはないし、他の病院で受けた患者さんを再診でみたこともない。」と言っていました。 治療法自体が存在しないとは言えませんが、ほとんど適用されることがない治療法なのではないでしょうか。
仮にあったとしてもプチ整形のたぐいだと思われますので、一時的にむけたペニスを味わうことができる程度ではないでしょうか。
2の方法は現在でも実施している病院はあるようです。注入する薬剤も非吸収性の薬剤を使用したりして以前より長持ちするようです。 しかし亀頭のカリに余っている皮を常に堰き止めるだけの力があるでしょうか。堰き止めることができるのは仮性包茎でも「軽度の仮性包茎」の方か「中度」でも 包皮口が若干狭く亀頭のカリにうまく引っかかってくれるタイプの患者さんだけだと思います。
そう考えると「切らない包茎治療」が適用される方は、ほとんど手術を受ける必要がないレベルの仮性包茎の方が対象で、きちんと治すなら包茎を切って治すしか 方法はありません。