国民生活センターに寄せられた包茎手術の危害事例のうち半数は痛みについての相談が占めたようです。包茎手術後に出る痛みには色々な原因があります。ここでは原因ごとに痛みを解説してみます。
1、包茎手術自体の痛み
包茎手術をする時は局所麻酔をおこないます。だいたい麻酔剤の強さによっても異なりますが、注射してから1時間〜1時間30分程度で効果が切れてきます。効果が切れれば痛みが出てきます。痛みの出方は患者さんの包茎の症状や包茎手術の術式で変化します。包茎の症状による痛みは次の項で触れますので、ここは包茎手術の術式による痛みの出方を検討します。
包茎手術の麻酔が切れるのは縫合が終わり手術が終了してから30分以上後になります。なので包茎手術をハンドメスで仕上げる方法で手術した場合は切った痛みはある程度は収まった状態になっています。なので痛みは縫合で傷口をきつく締めている痛みの方が強い場合があります、そのぐらいなので麻酔が切れても1〜2時間程度で痛みは収まるケースが多いです。
それに対して「クランプ・レーザー法」で包茎手術をすると、切り口をレーザーで焼いて傷口が開かないように溶接してしまう関係で傷口周辺が火傷の状態になっています。またクランプという器具は金属製のため熱を伝えやすくレーザー照射による熱が亀頭周辺の粘膜に伝わり炎症(火傷・水膨れ)をおこしてしまう場合があります。そうなると大変です。麻酔が切れた後は痛みで一歩も歩けなくなります。敏感な箇所が火傷しているのですから当然です。この場合は痛みが収まって我慢できるようになるまで半日はかかるようです。この痛みで消費者相談窓口に相談する患者さんはいないと思いますが…。
2、真性包茎の患者さんが包茎手術を受けた時の痛み
これは私の包茎手術顛末記を読んでいただくとわかります。あまり脅かして真性包茎の患者さんを怖がらせてもいけないと思って顛末記は抑え気味に書きましたが、真性包茎の亀頭の超過敏さは術後の日常生活の全てに大きな影響を及ぼします。
なんせ痛くて歩けないんですから…。これで普通に仕事なんかできません。下着に亀頭が擦れる度に飛び上るぐらい痛いんですから。本当にこれからどうなってしまうんだろう。普通に社会復帰できるのか。内出血で赤紫色に変色し、腫れで歪な形になったペニスを見ていたら本当に不安になってしまいます。手術の際に真性包茎の患者さんは手術後亀頭がこすれて痛いとは説明を受けていましたが、これほど痛いなんて聞いていません。病院にしてみたら怖がって手術を受けずに帰られたら困るからなんでしょうけど正直に話してもらえないと困ったことになってしまいます。せめて包茎手術を受ける時期を調整して問題が少ない時期を選らべたはずです。
ちなみに、真性包茎の患者さんが「クランプ・レーザー法」で手術して熱で炎症が発生すると…もう最悪です。
3、古傷の痛み・ひきつり
これは包茎手術に限らずどの外科手術でもみられる問題です。身体にメスを入れたら完治したとしても前と同じにはなりません。特に包茎手術は本来くっついていなかった皮膚と粘膜をつなぐ手術なので、手術後暫くしてもひきつったような痛みが出たり、違和感を感じることもあるようです。術後1〜2年は何かの拍子に痛みが出ることはしょうがないようです。幸いにも私はこのような症状は出ませんでした。
4、包茎手術とあわせて亀頭強化・増大術を受けた場合に出る痛み
包茎手術専門病院の中には包茎手術と一緒に亀頭増大・強化のためヒアルロン酸等の注入を勧めるところがあります。
注入すれば亀頭の傘は張るので少し見栄えはしますが、ヒアルロン酸は確実に吸収され一時的な現象なので無意味です。またそれだけではありません。ヒアルロン酸はゲル状の薬剤です。それを亀頭に注入すれば中の組織を痛めます。患者さんによっては勃起する度にチクッという痛みが走る方もいるようです。資金に余裕があって少し大きな亀頭にしてみたい患者さん以外は治療は勧めません。
5、勃起するたびに皮が突っ張って痛い
これは「包皮の切り過ぎ」の項で検討します。痛みが出るほど包皮を切ってしまうケースというのは泌尿器科の先生にいわせると信じられないそうです。