■質問・相談内容■
普通の包茎手術は傷跡など心配なことが多いので、切らない包茎手術に興味があります。しかし切らないで包茎が治るものなのでしょうか。私の包茎の状態は亀頭にすっぽり皮がかぶってる仮性包茎です。勃起した時に手で皮をむけば違和感なくむけます。
■回 答■
切らない包茎手術は正確に説明すると2パターンあり、ひとつは皮にむける癖をつけて亀頭を露出した状態をつくる方法と、亀頭を大きくして亀頭のカリで余っている包皮を堰き止めて亀頭を露出させる方法です。前者は平成4〜5年頃に上野クリニックが大々的に宣伝して一大ブームを作った方法で、後者はそれよりもずっと後になって出てきた方法です。
(1)皮に癖をつけて亀頭を露出する方法
平成4〜5年頃に上野クリニックが「切らない包茎手術」を始めた時は包茎手術業界に衝撃が起きたそうです。まさに「目からウロコ」といった感じでした。この時の包茎手術業界では「切らない手術」と取り入れる専門病院と「切らない手術では包茎は治らない」という専門病院に分れましたが、結果生き残ったのは「切らない手術」と取り入れた病院だけでした。それくらい影響があった方法です。
この手術法のミソは…軽度の仮性包茎の患者さんだけが治せるという所です。
そもそも包茎に悩んでいる方は亀頭にすっぽり皮がかぶっている方です。軽度の仮性包茎の方は自分が包茎だという認識すらないでしょう。包茎の専門病院に来院する患者さんのほとんどは真性包茎か重度の仮性包茎の方のみです。つまり全員適用の対象外なのです。相談者さんの症状は重度の仮性包茎でしょうから適応外です。
ちなみに包茎専門病院に数年間勤務した経験がある私の知り合いの泌尿器科の医師は、「切らない包茎手術」なんてやったこと無いし、やり方も知らないと言ってました。また他の病院で「切らない包茎手術」を受けた患者さんも診たことはないそうです。
(2)亀頭のカリを高くして包皮を堰きとめる方法
専門病院に来院する仮性包茎の患者さんの中には「切らずには治らない」と病院が説明しても、絶対切りたくないという患者さんがいます。この場合はカウンセリングだけで帰ってもらうわけですが、それでは商売にならないわけです。
そこで考え出された方法が亀頭増大術で包茎を治そうという方法なわけです。亀頭増大術は注射治療ですから傷跡も残りません。包皮が亀頭のカリに引っかかってむけた状態は自然な感じもします。注入する薬剤もヒアルロン酸という安全性が高いものです。包茎を切りたくないけど包茎は治したい患者さんが飛びつくわけです。しかし御存じのようにヒアルロン酸は吸収されます。時間が経てば元に戻ってしまうわけで、一時的にむけた状態を経験するだけで終わってしまうものです。そもそもがプチ整形で使用される薬剤なわけで、元に戻ることを前提にした治療なのです。
そじて現在注目されているのが非吸収性の薬剤を注入して包茎を治すところが出ていることです。
私は以前に、非吸収性の薬剤を製造しているスウェーデンのメーカーの営業担当者に、このことを質問してみました。答えは「メーカー側では陰茎部に注入することは推奨していないし、想定もしていない。あくまで病院の判断によって効果を認め使用している。」と答えてました。薬剤自体の安全性は高いと担当者は言ってましたが、吸収されないいじょうプチ整形と同じように気軽に受けるものではないような気もしますが…。これについては余り結果については話が入ってこないので正直わかりません。受けられた方がいらっしゃいましたら教えてください。