他人の契約に、自分の名前等を貸すこと。ここでは医者が名前だけの院長に就任することをいう。 自由診療系のクリニックに以前からよくあった形態。明確な医療法違反だが保健所の取り締まりはゆるい。
自由診療の世界で最大の闇と言われているのが「名義貸し」の問題である。
医者の世界では保険診療の医療機関で患者の病気に立ち向かうのが医者の使命であり、病気でない症状を治療する自由診療の世界は異端であるという
価値観が根強い。そのため一部の大学病院などでは手術室を管理する麻酔科などの診療科が、美容の手術に麻酔医を出さなかったり、手術室の使用を
許さなかったりする例もある。
美容外科については大学病院などにも診療科ができたりして見直され始め、院長に就任することに抵抗がある医師も少なくなって広告にも名前を
堂々と出すようになり、かなり正常化したとされる。
そのため、都心部の美容外科で院長名がわからないクリニックは少なく、田舎の美容外科のクリニックで見かける程度でになった。
包茎手術専門院を開院して院長になる医師は少ない。
苦労して医者になってペニスの皮を切るのを一生に仕事に選ぶことはまずないため常勤になってくれる医者は少なく、おのずと給与を高くする
必要があるため包茎手術専門院の治療費が高くなる原因のひとつでもある。そのため非常勤の医者が包茎手術業界を支えているのが現状である。
もちろん院長のなり手も少ないため、資格はもっているが働いていない医者(高齢で引退した医者や結婚して家庭に入った医者)や、
医者の資格はもっていても臨床に従事していない研究畑の医者等から名前だけ借りて院長になってもらうことがよくあった。
院長であっても開院の時の保健所の立ち合いに顔を出すだけで、その後に一度も顔を出したことがない院長も多い。
もちろん院長は常勤で病院を管理・監督する義務を法律上課せられており、名義貸しは医療法に違反しているのだが中々無くならない。
本来は保健所がこれらを監督しなければならないのだが、保険診療の病院で手一杯で自由診療の病院は問題を起こさない限り放置されている
のが現状で、たまに思い出したように摘発されるクリニックがあるが始末書程度で済ませてしまうため、いつまでもなくなることがない。