包茎手術の出血
(包茎手術の失敗とトラブル)



国民生活センターが公表した包茎手術の危害事例の相談のうち2割程度が出血についても相談しているようです。 包茎手術は包皮を切って手術しているわけですから術後に出血は高い確率で生じます。ここでは術後に出やすい出血について検討してみます。


1、包茎手術の出血

包茎手術後の出血量は術式によって差が出ます。 クランプ・レーザー法で包茎手術をおこなった場合には、傷口はレーザーによって焼かれ溶接されたような状態になっているので傷口からの出血はほとんどありません。 包帯に小さな血のシミができるのは勃起した時に縫合糸が入っている箇所が引っ張られ糸の穴から血が滲んでくる程度です。

クランプを使用せずハンドメスで包皮を切開した場合には、それなりの太さの血管は止血処理をしていても毛細血管までは処理しきれません。 そのため術後包帯に切除ラインに沿って血のシミができるくらいの出血が出る可能性が高いです。 この方法で包茎手術した場合には術後にすぐ巻く包帯はかなり圧迫気味に巻き出血を抑えるようにするはずです。 病院によっては数日間は包帯を取らないように指導するところもあります。

私が包茎手術を受けた際は10円玉程度の血の染みが包帯に出る程度で済みましたが、最終的に出血が完全になくなるのは糸が完全に取れた後でした。 くわしくは「私の包茎手術体験談」でどうぞ。


通常、包茎手術を専門院で受ければ切る手術になります。患者さんも血が滲むぐらいの出血は覚悟しているはずです。また予想を超える出血なら再診を受ければ良いだけです。 なのに何故大きなトラブルに発展するのでしょう。
それは包茎手術専門院の運営形態に問題があるからです。実は大手の専門院でも全ての分院に常勤の医師がいることは少なく、毎日診療していることが無いからです。 広告上は年中無休になっていますが、それは予約の受付だけで、診療を非常勤の医師で運営している分院なら多くて週3〜4日、少なければ週1日です。予約は全て集中させます。 経営効率を考えれば医師給の面からそれが望ましいのです。しかし効率は良くても困ったことがおきます。それが急な出血などのトラブルの発生です。 診療が終われば非常勤の医師は帰ってしまいます。近所に住んでいる医師なら都合をつけて来てもらえますが、本院など県外から医師が来ている場合、対処ができません。
私が勤務していた専門院でも年に数件は大きな出血でトラブルになりました。患者から出血の電話がきたら止血方法を教えて自分で対処させます。 たいていそれで出血は止まりますが、止まらなかったら近くの救急病院に行くように指示することになります。
こんなことをしていたら患者さんが消費者相談窓口に駆け込みますよね。


2、包茎手術後に出血が止まらない場合の対処

包茎手術を終えて帰宅した後に出血! ものすごく慌ててしまいますよね。 家が病院に近くてすぐ行ければ問題ありませんが、家が遠かったり深夜で病院が開いていない時間帯ではどうすることもできません。 女性は生理があるため出血には慣れていますが、男性は慣れていないため貧血をおこしてしまう方すらいるようです。

このような場合でも慌てないでください。血がポタポタと出てくる状態で大出血と思っても出血量自体はたいしたことはありません。出血を止めれば良いのです。 このような場合に有効な方法は圧迫止血です。出血している箇所を確認して綿球やガーゼを丸めた玉をあて、その上から圧迫気味に包帯を巻いてしまうのです。 そうすれば出血箇所が強く抑えられ出血はたいてい止まります。これで血が止まらなかったら近所の救急病院に駆け込みましょう。 また、このような大出血がおきた場合には体内に血が漏れ出して血腫ができて陰茎が大きく腫れあがる場合がありますので注意してください。 血腫ができた場合には必ず病院の再診を受けてください。


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